山道具のあれこれ シームレスドライダウンハガーのレビューⅡ

山道具のあれこれ シームレスドライダウンハガーのレビューⅡ

先日ご紹介した、モンベルの最新シュラフ『シームレス ドライ ダウンハガー 900』のダウンが偏っちゃう問題のその後です。

実は、検証を継続しておりました。

検証方法は、頭部分を上にした吊り下げ状態のまま保管し、敢えてダウンの偏りを促すよう、寝袋をパンパンと軽く叩くように衝撃を加え、これを毎日1回行うというものです。

この検証を、シームレスドライダウンハガー900の#3と#5で行なっておりました。前回の結果報告では、特に変化は見られませんでしたが、そこから、さらに2週間経過したのでご報告させていただきます。

結果としては、#3にのみ偏りが認められるでした。

#5には特に変化は見られませんでした

#3を平置きにしたところ、検証開始前と比べ、上部は薄くなり下部ダウンが寄った印象です。画像では分かりにくいですが、、(汗)

部屋が狭くて真横から撮れませんでした、、、

シュラフを透かして見てみたところ、差は歴然でした。上部はダウンの密度が薄くなり(スケスケ)ですが、下部は透かしてもダウンが重なり合っており、ダウンの密度が高い様子が窺えました。

では、なぜ#3と#5に差が出たのでしょうか?

ここからは私個人の仮説です。

シームレスドライダウンハガーは、内部に「スパイダーヤーン」という糸を張り巡らせ、その糸がダウンを絡めて維持しており、ダウンの偏り防止のための隔壁が必要なくなっている、、、

ということは、スパイダーヤーンの表面積がダウンを保持できる最大量という事になると言えるはずです。

当然に#3は#5よりもダウン量が多いわけですから、#3と#5のスパイダーヤーンの量が同じであった場合、『#3のダウン量>スパイダーヤーンの保持できるダウン量(表面積)≧#5のダウン量』という仮説が成り立ち、今回の検証結果になったと思われます。

しかし、通常使用において今回の検証のような事(敢えて偏らせる)はしないと思いますので、そこまで神経質になる必要は無いと思います。他方、偏りを防止するための隔壁がないことから、一般使用においても、長期間に渡ればダウンの偏りが起こる可能性は否定できません。

検証結果を踏まえますと、#5はおススメできますが、#3はニュートラルです。オススメもできなければ、やめた方がいいとも言えません。

それはそうと、気付いたことがもう一点、、、

普通に縫い目があります。

画像左下から右上にかけて縫い目が!

縫い目の内側からシームテープが貼られているため防水ではあると思います。が、全然「シームレス」ではありません。問題はネーミングセンスなのかなとも思われますが、「どうゆうこと⁉️」となってしまいました。

シュラフの寿命は長いので、時間の経過と共に必ずシームテープが劣化します。シームテープが剥がれた時、防水とも言えなくなりますから、『時限ドライダウンハガー』ということになるのでしょうか?

ついでですが、シュラフやダウンウェアの品質表示を見ると、ダックダウン又はグースダウンという表記が見られます。ダックと、グースでは水鳥の大きさが違うので、通常ダウンの大きさも異なります。グースの方が大きな鳥なので、フィルパワーの大きい良質なダウンであることが多いです。その分価格も高くなります。

しかし、メーカーで比べてみると、ダックダウンを使ってるメーカーで、グースダウンを使っているメーカーよりも価格が高いところもあります。いろいろな仕様の差が価格に反映されていると思いますが、ブランドバリュー的な側面もあります。ダウンの品質の差は、重要な判断材料かと思いますので、購入を検討される際は、価格やブランドだけではなく、品質表示タグをよく見比べてみる事をお勧め致します。

2 件のコメント

面白い検証ですね。
シームレスに関しては滑らかという意味合いでシームレスと表記しているのかな?
ぼっちキャンプのヒロシさんはナンガのシュラフを使っていたんですがあれはキャンプ用ですかね?ナンガの、シュラフなんてどうですかね。情報あったら希望です。駄文失礼

ディアマンテ 様
 はじめまして。コメントありがとうございます。
 まず、「シーム」ですが、ご指摘の通り、私の勘違いであれば申し訳ないです。私は「seam(縫い目)」だと思っていたので、「縫い目なし」・「継ぎ目なし」かと思い込んでおりました。
 次に、ナンガのシュラフですが、ナンガはシュラフ専門企業であることから、商品層がすごく厚い印象です。それこそ、キャンプから、登山用までラインナップがあります。それぞれ開発の趣旨が異なるので、必ず使用目的にマッチする商品があると思います。キャンプ用の封筒型・撥水ダウンを使用したもの・防水透湿素材を使用したもの・軽量化を第一としたものなどなど。
 また、同一メーカーの製品群でも、例えばミニマリズムシリーズには最高級のグースダウンを使用しているのに対し、他のモデルはダックダウンを使用しているなど、外側だけでなく内側の品質にも差をつけています。
 ナンガの製品を選ぶ上での注意点としては、製品の種類(使用目的)が多いため、使用目的とは異なる製品を購入してしまうことがあるくらいでしょうか。購入に際しては、ショップの店員さんに相談することで解決すると思います。

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